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子の引渡し事件~家庭裁判所の審判と保全執行

1 別居や離婚にあたり、子どもの連れ去りが起きた際に、急ぎ家庭裁判所の判断を仰ぐため、監護者指定・子の引渡しの審判(本案)を申し立て、同時に、審判前の保全処分申立てを行い(保全)、子の奪い合いにならないよう子どもを守っていきます。

 申立て後1~2週間内に審問期日が開かれ、保全の必要性が認められるケースでは、早ければ即日、遅くとも1~2週間内に保全事件の審判がなされ、仮の監護者が指定され、仮の引渡しを認められることになります。

 保全の必要性がないとき、あるいは慎重に判断した方がよいときは、本案にシフトして審問期日が重ねられることになります。

2 保全の審判が予想される場合は、審判日にすぐに決定を受け取れるよう準備し、保全執行(直接強制)の申立てを並行して準備しておきます。
  審判(本案・保全とも)は告知されて効力が発生しますが、相手方が審判後も任意に引渡しに応じないことの方が多いので、すみやかに保全執行に着手できるよう並行して準備しておくことが大切です。
  本案の監護者指定・子の引渡し審判については、相手方が2週間以内に即時抗告(不服申立て)をすれば、審判は確定しないので、確定審判に基づく強制執行はできません。高等裁判所における抗告審での攻防が残ります。
     ただ、保全の審判があったときは、高等裁判所に即時抗告をされても、緊急性の要請から、強制執行が停止されることはありません(停止の申立てがあり、認められた場合は別)。

  注意すべきは、相手方に告知されて2週間のうちに保全執行ができなかったときは、それ以後の保全執行はできなくなるという点です(家事事件手続法109条3項、民事保全法43条2項)。
     この2週間が綱渡りの手持ち時間となります。 

     強制執行の申立てを地方裁判所の執行官に行い、執行官と執行の日程、方法について、すみやかに打合せを行い、執行の日(奏功しない場合の再度の執行も想定して日程調整が必要です)を決めます。保全執行申立てにあたっては、当然に予納金の準備も必要なので、審問後、審判前にご本人に手順を説明して準備しておいてもらうことも忘れてはなりません。

     なお、以前の子どもの引渡しの執行は、動産執行と同じ取扱いでした(子どもは物ではないのですが、形としては同じでした)。執行の場所も、保育園や小学校に協力を求めて、相手方不在でも、執行官と一緒に出向いて引渡しを行っていました。
     しかし、ハーグ条約締結後の執行の現場は大きく変わりました。ハーグ条約実施法が執行官による解放実施について方法を明確に規定したため、国内の事件についても、子の引渡しの強制執行に関して、それにあわせた運用の大きな変化がありました。①場所は自宅で行う、②相手方と子どもが一緒にいる場合に限る、③威力を行使するときは子に有害な影響を与えないよう配慮する、などです。

     執行官との打合せの際に、頭を悩ませることが多くなりました。強制執行までせざるを得ないケースは強い抵抗が続いているケースであることが多く、①、②の条件下では、執行官がまず相手方を説得することから始めざるをえず、困難な場面が当然に想定されるわけです。しかも保全執行できる時間は2週間しかありません。執行不能となる場合も少なくなく、結果的に最後の砦となる人身保護請求の手続きをとらざるを得ないことも少なくありません。 

 

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弁護士 川﨑政宏

弁護士 川﨑政宏
地域
岡山県
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男性
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60代
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